
曇りのち雨。朝起きて夢の中での不可思議な記憶を辿る。飲み会の席で目の前にはなぜか授業で担当している生徒がグラスを片手にこちらを見ている。グラスの中はアルコールと見せかけてノンアルコールなのだろうと思う。「まさか君はは酒を飲まないよね」と冗談を交えて場を盛り上げようとする。不満そうな顔はしていないものの、それなりに美人な子なので油断してはならない、と気を引き締める。なんとかして相手を楽しませようと話題を頭の中で絞り出そうとしていると、突然中学の頃の同級生が現れて何か僕に告げ口をしてくる。急にこんなところにどうしたんだ、と思ったが、どうやら彼は僕の前にいる美女に好意を抱いているようで、楽しそうに会話をしている僕に幾分嫉妬しているらしかった。彼とは前に(それは多分20年ぐらい前だ)僕の好きな子を奪われた記憶がありその後あまり関わることなくそれっきりになってしまったはずだったので、なんだか今の状況は昔と立場が逆転しているようで、ざまあみろと内心ほくそえんだ。ふと視線を前に戻すと、彼女は僕の中学時代に好意を寄せていた女の子にすり替わっていた。僕はその光景を喜んで、ついにずっと苦々しく思っていた記憶から乗り越えることが、僕を欺いていた人を見返すことができた、という気になった。
その後、高校時代に聴いていた音楽を久しぶりに聴く。洋楽に長らくハマっていて、その奥深さに酔いしれていたので、JpopやJrockを聴いてもなんだか歌詞が稚拙で曲調も決まりきったパターンに飽き飽きすることが多いのだけれど、時たままるで霊に取り憑かれたように鳥肌が立って身震いすることがあるのは、決まってJpopやJrockなのであった。洋楽を聴くときのように、歌詞を深く読み込んでいるというわけではないのに、その哀愁漂う雰囲気やもの悲しいメロディーに包まれて、絶妙な歌詞(意味は大してない)が調和をなすように降り注いでくると、一瞬涙が込み上げてきそうになる。こんな子供っぽい曲で涙を流すのか?と瞬時にその涙を意識的にグッと押し込んでおしまいにするのだが、ふと我に返って考えてみると、実に不思議な現象と思えてならない。一体僕の心は何で出来ているのだろうか。
