2026/8/6 詩作「めくれる」「月もなく」「視線」

2026/8/6 詩作「めくれる」「月もなく」「視線」

「めくれる」

さびた空気を

スマホが照らして

流れる指の

向こうが動かず

ドライフラワー

時を止めたら

風が縮んで

溜まったホコリ

鼻に積もって

吐く息呑んで

触れたまま

肌のめくれる

まえに頭の

なかがめくれる


「月もなく」

憂いの窓を

開いても

夜は張りついたまま

タバコを燻らせ

鳴く声の

残すは夜の遠吠えか

吐き出す煙の

なかを横切る

黒い電線

柱を結んで

時は流れず

風は遠のき

街灯ともる

月もなく


「視線」

視線が窓から

突き刺すようで

カーテン閉めて

隙間にアラーム

高鳴るまえに

指でなぞって

目線をずらして

鏡のなかを

覗き込まずに

青く光った

瞳の奥の

稲妻遠く

黙って横切る

刺さらないなら

刺してくれ